2010年12月31日金曜日

2011年のプラン

明けましておめでとうございます。NYはあと一時間でカウントダウン。衛星テレビで紅白を覗き、年越し天ぷらそばを食べて「やっぱり日本人は細く長く生きるのが美徳なのかな?」なんて思いました。去年は、とにかくあっという間でした。子育て、大学院、仕事、新しい友人関係。こんなに早く終わった一年は初めてかもしれません。しっちゃかめっちゃかでしたが、家族も健康ですし、なんとか乗り越えられて良かったです。

1月 MBAの四学期が始まります。国際ポートフォリオ、戦略的思考、の授業は優を取りたいです。仕事もあと3ヶ月で年度の成績が決まります。過去の2年はとても成績が良かったですが、今年は成果目標まで届くかのギリギリの位置にいます。なんとか良い成果を上げたいです。

2月 引っ越しをするので物件を探さなくてはなりません。今は会社から歩いて15分のマンハッタンの真ん中に住んでいますが、子供のスペースを考えてマンハッタンの外に出る予定です。ブルックリンかニュージャージか。昨日、今日と予定地の雰囲気を見てきました。駐在員の生活を辞めて、現地人としての生活に切り替えたいです。

3月 飛行機を予約し終わり、いよいよシンガポール視察をしてきます。今、一番に興味があるのはシンガポール。21世紀に最も発展する新しい都市です。国際性、教育、税制、各種制度、社会インフラまで、現地の空気を吸ってきたいと思います。

4〜6月 新しい年度に向けてポートフォリオを組み直すべく準備を。4学期のテストも気が抜けません。

7〜9月 啓吾君も2歳になります。順調にいけばMBA終了です。準備まで合わせて5年近く追いかけて来たターゲットが達成できます。人脈のメンテナンスもしっかりしておかなければ。私の大学院が終われば、妻もビジネススクールに行く予定です。お金を捻出するために、生活設計をもう一度しなくてはならないです。

10〜12月 学校が終わってすっきりした時点で、自分の考え方が整理できてくると思います。将来について真剣に考えるタイミングです。

去年と同様にめまぐるしい一年ですが、将来に向けて色々なことを蓄積していきたいです。

2010年12月26日日曜日

英語の勉強について

三学期が終わりました!これで修士課程も6割が終わり。ホットしていましたが、課題の案内が届いて死にそうです。教科書は捨てるとして、ケーススタディーだけで、1/7の合宿までに400ページ。ちょっとは休ませろよという感じです。

今回は英語の勉強について少し書きます。ネイティブ日本人で困ってない人は殆ど世の中にいないでしょう(真剣にやってる人はめちゃくちゃ困っているはずですが)。私が海外に出て丁度4年になりますが、どんなもんなのか。僕は英語が専門ではないので、英語を職業とする人よりもそういう人の情報の方が多くの人に役に立つかとは思います。

結論からいうと、自分が昔イメージしていたよりは全然できていないです。読むスピードと理解力は日本語の半分ぐらい。日本経済新聞は気合い入れれば一時間で全部読めますが、Wall street journalは3時間はかかります。辞書ももちろん必要です。また、二倍疲れます(この疲れが語学力のポイントなのですが)。聞くのは、ニュースや学校の講義とかの綺麗な英語や一対一は問題は少なくなりますが、ネイティブ同士が熱くなって話だすと?????が並ぶことが殆どです。特に雑音内ではかなり厳しい。書くのはストレス無く書けますが、表現力は中学生ぐらいでしょう。清書するときに時間がかかりますし。話すのも困ることは無いですが、表現力は中学生ぐらいでしょう。また、議論のスピードが早くなると、鋭い意見をいうのはまだ無理です。

テストだとMBAに入る一年前でTOEFLで109点でした。点数が出るまで7回も受けましたが、Readingは三回満点でほぼ安定、Listeningは25〜29/30ぐらいでバラツキました。(この二つしか科目がないTOEICならほぼ満点でしょう)。Speakingが発音が悪いしナチュラルに喋れないので24点が最高。書くのは24~27/30でした。TOEFL のReading満点ぐらいの力があると、GMATという米人が受けるMBAのセンター試験みたいので(英語読解、数学、英語筆記)、英語読解は受験者の下位3〜4割ぐらいに入れます。そっから色々と対策をして、数学で満点を取って、最終的には上位15%ぐらいのスコアで出願しました。ただ、MBAではこんなテストで何点とったところで、僕のようなノンネイティブは焼け石に水というか、苦労しまくるんですが。今のクラス60人の中で、大学を英語でやってないのは5人だけですし、殆どは米でずっと働いてますからね。

一年で英語が伸びたか??微妙ですね。相変わらず読んだり聞いたりすると日本語よりも明らかに集中力が必要だし疲れる。というか、年を取って来ただけかもしれませんが。。。自分が必要としている力は今迄やってきた努力の倍はいるのかなあ、という感じです。歯がゆい。

ところで、日本人ビジネスマンに最も多い勘違いは、英検一級やTOEIC900点とかが最高峰ということではないでしょうか?取った人達は、新聞も雑誌なんてまともに読めないし、ヒアリングなんて殆どできないことを、よく分かっているはずです。また、ライティングとスピーキングは、勉強するのにとてもお金がかかりますね。留学だったり、直してくれる先生を付けないといつまでも小学生、中学生レベルで終わってしまいます。

韓国ではサムソンや現代に入る人はTOEIC900点で足切りらしいですが、ここを最高峰ではなくて最低線と考えている訳です。日本でも否応なしに来ると思います。日本で外国人の恋人もおらずコツコツやるしかない大半の人は、興味のある分野の英語本を徹底的に読み込むのが良いと思います。また、話すのはちゃんとした英会話のプログラムに数百万円かける必要があるでしょう(一つの語学を身につけるにはそれぐらいの投資は最低必要と思う)。一方で、日本の大学受験レベルなら一流大学卒でも三流大学卒でも語学のレベルは最終的なゴール地点から考えればその差はゼロに等しいと思います。誰であろうと認識でスタートすることはできると思います。

英語がある程度でもいいからできるようになると何が良いか?私は、視野と物事の洞察力がとても強化されることが最も良いことだと思います。それは付き合う人がとても増えるからです。大学にいて一番感じることは、多くの場合、米国人の授業よりも外国人の先生の授業の方が数倍面白いこと。一般的にですが、母国語しかできない米人は視野が狭いです。また、新しい発見とかアイデアは、違った思考を持った人間の新結合から生まれます。そのチャンスが増えることも大きなメリットだと思います。

2010年12月16日木曜日

名古屋で住民投票実施へ

地元なのでずっとフォローして見ていましたが、市議会の住民投票が決定したようですね。大都市では初めての試みになり、地元民として誇りを持てるニュースです。

河村市長が主導していますが、何が今回のポイントなのか。

1.財政健全化をするためには、使える総額(税金)を減らすしかない
2.政治家は住民の代表として税金の使い道や役人を管理する役割に立ち返る
3.税金や規制のない楽市楽座が周り回って人々の生活を豊かにする

ということだと思います。

1については、役人組織はコストを減らす、費用対効果というインセンティブが組織的に働かないため、個人個人がまともな人でも組織としては支出が増え続けます。やっかいなことは、国の事業仕分けでも分かった通り、殆どの支出は無駄遣いとは言えず、一度ある目的にお金を使うと削れなということです。ただ、全て意味のある支出であっても、入ってくるお金以上のことをやるということは将来世代に借金を残すことであり、個人ならば親が借金をして身の丈以上の生活を送っていることと変わりありません。一方で市民は、自分たちにお金を使ってくれれば嬉しいので、仕組みとして歯止めがききません。政治家は票が欲しいため、市民へのお小遣いを増やしますから、さらに歯止めが効きません。10%減税をして総量を減らすことが、これらのサイクルを止める唯一の解決策だと河村氏は力説しています。

2については、議員総数の半減、給料の半減(800万円へ)を提唱しています。政治家が職業になってしまうと、議会と役人組織が持たれあって、上記のサイクルがさらに加速してしまうからです。これぐらいのドラスティックな試みは必要だと思います。副作用は分かりますが、それぐらい今の日本の政治と役人は腐敗していると思います。議会は国王の支出と重税をチェックするためにイギリスで始まりました。今の日本の仕組みは議会と役人が構造的に手を組んで、税金を取ったり将来世代から借金をして支出を増やす仕組みなってしまっています。国でも地方での同じ事です。

3については、織田信長が日本で行い、今世界が急速に動いている規制緩和、関税撤廃や経済の自由化です。国が決めた法人税の5%引き下げも同じ理論です。例えば、シンガポールは法人税が20%、所得税が15%と日本の半分以下です。企業はこぞってそちらに本社や事業を移し、人も商売のしやすい場所へどんどん移動していきます。世界は、税金の引き下げ競争のまっただ中です。最終的に、魅力的な楽市楽座を作れた場所だけが、経済のパイが大きくなって税収も増えてハッピーになります。米国や英国の1980年代の政策、その後の飛躍はまさに楽市楽座政策です。これも短期的には副作用がありますが、やらなければ若者や将来世代がもっと困ります。一番困るのは、自分達の居場所がなくなる役人と政治家なんでしょうが。

常に大切なのは、短期的より長期な視点、循環論より構造改革、各論よりも総論、という大きな視点です。政治がそれらを主導する土台作りということでは、河村氏のチャレンジには私も応援したいと思います。政治と役人は市民が自由に活躍できる環境を用意する、最低限のセーフティーネットを作ることに集中してもらいたです。こういう書き方をすると、自由主義者だとか格差を助長するとかの話になりますが、メリット>デメリットという視点がなくデメリットの話をしても仕方ありません。すべての薬には副作用はありますが、皆が薬を飲むのは何故でしょうか?日本もう待った無しです。日本以外の国は全て、副作用を受け入れて前に進んでいます。英米の例が上ですし、ドイツは東西合併やユーロ圏創設で多大な副作用を払いながら勇気をもって病気に立ち向かいました。

最近の電通の調査では高校生のなりたい職業一位が公務員、二位が大企業の社員だそうです。安定が夢というとんでもない話だと思います。公務員は大切な仕事とは思いますが、付加価値を生んだ民間からの税金で生活をし、それらを適切に分配する仕事なので、国の生活を豊かにする付加価値には直接的に何も貢献しません。新たな発明や発見をしたり、海外へのビジネスを作ったりと、国民の厚生に貢献する夢を持って欲しいと思います。今の日本は、高齢者や40歳以上の人達のツケを払わせれる世代間格差が深刻なので、それが若者の責任とは言えないのでしょうが。外国人に言わせると、この世代間格差は「児童虐待」だそうです。

いずれにしても、日本が変われる少ないチャンスが名古屋から動き出そうとしいることは間違いありません。住民投票のパワーというもは、一票の格差や、保守に向かった憲法改正という本質的な議論にも繋がる可能性があります。期待したいと思います。